結婚相手もいない20代の頃から、私はずっと「子どものいる暮らし」に憧れていました。
でも、実際に出産したのは43歳。
そこに辿り着くまでには、さまざまな心の揺れや葛藤や言葉の傷がありました。
心ない言葉が、ずっと心に残っている

私がまだ20代の頃、会社の先輩と食事に行ったときのこと。
彼女は38歳で未婚でしたが、婦人科で大きな子宮筋腫が見つかり、
医師から「子宮を取った方がいい」と言われたそうです。
それよりも彼女がショックだったのは、医師の言葉でした。
「もう赤ちゃん産まないでしょ?取っちゃった方がいいよ」
彼女の未来も、希望も、存在そのものを否定されたようで…。
その言葉の重さに、私まで深く傷ついたのを覚えています。
心を傷つけるのは、たいてい「想像外」の一言
また別の知人(当時20代)は、ショックな出来事をきっかけに生理が止まり、
産婦人科でこんな言葉をかけられたといいます。
「もうあなたは妊娠できないね。残念だけど、子どもは諦めて」
その言葉を聞いた時、彼女はショックで目の前が真っ暗になったと言います。
その後、家までどうやって帰ったか覚えてないほど……。
その時の彼女の心境を思うと、言葉になりません。
体調を心配して駆け込んだ先で、さらに心に塩を塗られるような体験だったはずです。
それでも、1年後に彼女は自然な形で妊娠し、結婚しました。
医学的な診断や年齢では測れない、命の不思議を感じた出来事でした。
「高齢の妊婦は出したくない」

私が言われた忘れられない一言
38歳で妊活を本格的に始めた頃、私も不妊治療の入り口で
ある女性医師からこう言われました。
「できたら高齢の妊婦は出したくないんだよね」
そこは不妊専門のクリニックではなく、高度な不妊治療はしていませんでしたが、
言葉を選ばないその口調に、心がヒリヒリしました。
でもその直後、そっと寄り添ってくれた看護師さんが
「まだまだ全然大丈夫だから!不妊専門のクリニックに行きなさい」とこっそり言ってくれたんです。
その言葉に、思わず涙がこぼれました。
誰かの言葉に心がざわついたら

妊活中は、思いがけない一言に心をえぐられることがあります。
でも、それは「もらい事故」みたいなもの。
あなたのことを何も知らない人の言葉で、あなたの未来が決まるわけではありません。
たとえ身内であっても、あなたの繊細な気持ちを
軽く扱う権利なんて、誰にもないのです。
「赤ちゃんが欲しい」の裏にあった本音
私自身も、心のどこかで「赤ちゃんが欲しい」と言いながら
「もう無理かもしれない」「私なんて」という思いが隠れていました。
それでも命は、やってくる時はやってきます。
あなたのタイミングで、あなたの形で。
だからどうか、他人の言葉に心をかき乱されずにいてくださいね。
あなたの望みや気持ちは、あなたの中にだけ、ちゃんとあるのですから。