小学校入学前にスペクトラムと診断された私の子ども。今日は子どもの特徴や診断にいたるまでや、スペクトラムだと知ったことでよかったと思う理由を記事にしました。
子どもの育てにくさで悩まれている方にこの記事が少しでもお役に立てたら幸いです。
検診で一度も指摘されたことがなかったわが子
1歳半検診や3歳児検診などそれまでの検診では一度も指摘されたことがありませんでした。指さしも発語も問題ない。体の成長も順調。ただ、検診会場に入る時は場所見知りが激しくて泣き叫んでいたので「こだわりが強いね」と言われたくらい。こだわりの強さから「将来登校拒否になるかも…」みたいなことは何回か言われました。(当たってると言えば当たってるんだけど…)
赤ちゃんの頃から「育てにくい」とは思っていましたが、敏感さはHSCやエンパスの特徴に当てはまっていたのでとても敏感でこだわりが強い子なのかな?と思っていました。それが成長するにつれて困りごとが増えていき、検査をして専門の先生に診ていただいたところASD・グレーゾーンにあたるとのことでした。
我が子の特徴だと診断がつかない病院もあるそうです。また、ひと昔前なら「問題ありません」となり生きづらい経験をされた方もいらっしゃるかもしれません。
子どものようす
赤ちゃんの頃
とにかくよく泣く、寝ない。下に置くと絶対起きるので私自身もいつも抱っこのまま壁に寄りかかり寝ていました。私以外の人の抱っこもダメ。哺乳瓶拒否で母乳しかダメ。(様々な種類の哺乳瓶やおしゃぶりを買いましたがすべて無駄になりました)。場所見知りが激しく、人見知りも激しく怒り、泣く。機嫌が悪いことが多く、感情表現が激しい子どもでした。
赤ちゃん=『ぽわ~ん、癒し~』といった雰囲気ではなく、
「いつでもやったるで!」みたいに気合いが入った目をしていました笑
気合いが入った目、笑
でも横になって眠れないのはツライよね…
ほんとそうよ!
昔、眠らせないという拷問があったらしいもん。
拷問よ。誰にも監視されてないけど。
1歳~3歳ごろ
偏食が激しい、テレビ番組やキャラクターに対して好き嫌いが激しい。しかも苦手を表す感情表現が激しい。一方、好きなことに関しては過集中。何かを作ったり好きな本に夢中。もともと食べ物に興味がないので「ご飯いらないからレゴさせて」と言っていました。
感情移入が激しく1歳半ごろ『おやゆびひめ』の絵本を読みきかせをしている時、ひめがモグラに嫁ぐシーンで号泣、30分泣き続けました。でも怒りや悲しみだけでなく、喜び嬉しさの表現も激しくなりました。
赤ちゃんの頃からですが、とにかく私にべったり。まだまだ抱っこも多かったし寝かしつけに苦労していたので私は疲労困ぱい。身内や友人が近くにおらず気軽に育児サポートをお願いできる環境ではなくて辛かったのですが、一時保育に預けると泣き続けたので精神的にギリギリなのに預けることができなかったのです。
泣かれてもお母さんの心の安定の方が絶対大切!!!預けた方がいいですよ。
ヤキモチも酷く、友達の赤ちゃんを抱っこしたら怒りました。あとから帰りに寄ったスーパーでカートに乗った我が子に「ほかの子どもは抱っこしないで」と叱られました笑。幼稚園は行き渋りが日常。私と離れるときは今生の別れのごとく泣き叫び、私にしがみついている子どもを先生に引きはがしてもらう毎日でした。幼稚園で他の子どもと話をしていると後で「ほかの子どもと話しないで!」と叱られました。
人見知りは相変わらず、公園に人がいると「遊びたくない」と怒るため、人がいない公園を探して遊びに行っていました。友人関係は狭く深くですが、好きな友達と一緒だとどこにでも行けるようになりました。
人がいない公園って
東京じゃ無理ね…。
そうね。
東京だと早朝に行ったこともあったよ。
ランナーさんはいるけど、さすがに遊んでる子どもはいない笑
4歳~6歳ごろ
感覚が敏感でちょっとの痛みでもよく泣いたり、人見知りが激しかったり、初めてのことを嫌がったり、こだわりが強かったり、文句が多くてすぐ怒ったり…。家では大変なことが多かったのですが、外ではおりこうにしているみたいだったので、心理士さんに相談をしても「様子見」と言われるばかりでした。しかし、お友達とのトラブルがあったときに『正義に対する自分だけのこだわり』が強くなりました。いいことと悪い事の区別はよく理解していましたが、視野の狭さから「許せない!」となりますが、他人から見るとどうでもいい事。それについて幼稚園の先生が我が子に言い聞かせようとして、言い聞かせようとすればするほど手が付けられないほど激しく泣いて怒ったのです。
思えばもっと幼い頃からの怒りも「どうしてそこで怒る?」といったことなんですが、他人を叩いたり傷つけることがなかったこともあり、怒りの矛先もほとんど私か家族だったので、幼いから仕方ないな…強烈な個性だな…としか捉えていませんでした。
診断が出て正直ホッとした
一般的にネットで調べられる範囲のよくある特徴には当てはまらず、幼稚園でも問題なく過ごせてるので、先生からも指摘はなくむしろ「いい子ですね」と言われたり、家族に相談しても「考えすぎ」「神経質になりすぎ、子育てはもっと大らかに!」と反対に叱られていました。「じゃ、この育てにくさは一体なんなのよ!?」とモヤモヤしていました。
6歳前には他の子どももグンと成長するので困りごとが表面化したのだと思います。その時に受けた検査と専門の先生の診察で診断がついたことで私は正直ホッとしました。私一人で悩むことじゃなかったんだと思えたからです。一番は家族が子育てに対して理解してくれるようになったことです。家族からすると子どもの態度は「できるくせにやらない、怠けている」「ワガママ」と映っていたようでした。
たしかに口が達者で得意なことはできるので、苦手なものに取り組む姿勢がふざけているように見えたのかもしれません。子どもに注意をすればするほど子どもは反発し、個性を大切に育てようとする私と家族の間でケンカが絶えなくなっていきました。診断後にようやく、本人のやる気のなさではなくしつけではどうにもならない『生まれつきだ』とわかったようで、家族で同じ方向を目指しながら子育てに取り組めるようになったのです。
私自身も子どもの得意なことと苦手なことをよく理解できたことも良かったです。簡単にできることがある代わりに、他の人と同じ努力をしてもできないことがある。だからこそできない自分がもどかしくじれったい。そんな子どもの気持ちもくみ取ってあげることができるようになりました。
育てにくさは生きにくさ
もともと育児書のアドバイスを実践しても全く効果がなかった我が子。当時から『子どもが自分らしく持ち味を最大限に発揮できるようにしてあげたい』というのが私の想いでした。でも個性を伸ばす、個性を大切にと一口に言っても自分一人では到底抱えきれません。育てにくいということは本人も生きにくさを感じていると思います。グレーゾーンだからと言って生きづらさがマシということでは決してありません。まず子どもの困りごとをよく理解して、そこを私も一緒に解決したり回避する知恵をつけられるように成長していければいいなと思っています。少しでも自分らしく生きるためにサポートをしてあげる、その知恵を自分で見つけられる大人になるためにサポートができればいいなと思います。
今では公的機関でも相談できる場所が増えています。民間のサポートも安心して頼れる場所が増えています。家族に相談ができるならとても恵まれた環境だと思います。しかし、私もかつてそうだったように家族に理解してもらえない苦しみはとてもツライですよね。ぜひ一人で抱え込まず、一度相談してみてくださいね。